掴んだ虹は声優の色をしていた。<水瀬いのりライブツアー Catch the Rainbow! 感想>
水瀬いのりライブツアー、Catch the Rainbow!の愛知公演と東京公演を観覧してきたのでその感想を書いていこう。
愛知はフォレストホール、東京は日本武道館。
どちらの公演もとても素敵な時間だったけれど、千秋楽ということもあって今日の武道館公演は会場のファンもいのりちゃん自身にもより一層の熱が入っていたような印象だ。
ライブ開始予定時刻の17時を4分ほど過ぎた時、会場の照明が落ち、ステージのスクリーンには光が灯った。
10、9、8…とカウントダウンをするいのりちゃんの姿がスクリーンに映し出されると会場のファンもそれに呼応してカウントダウンの数字を叫ぶ。
『......3......2......1!!』
先週も別会場で同じ光景を見ていた僕はこのあと何が起こるのかを知っている。
知っているのに、ワクワクした気持ちが止まらない。湧き上がる高揚感を抑えられない。
何度味わっても飽きないちょっと怖いぐらいに魅惑的な時間が今日も始まるのだ。
軽快なイントロで始まった1曲目は「Step Up!」
疾走感のあるメロディと障害を乗り越え次のステージへと進む事を促す前向きな歌詞が印象的なライブの1発目に持ってくるには相応しい曲だ。
いのりちゃんの赤いドレスの華やかさもあって一気に会場はヒートアップした。
その後MCを挟むこと無く2曲目の「ピュアフレーム」を歌いきり、3曲目にタオル曲の「Ready Steady Go!」と続いた。
いのりちゃん本人も含めた会場全体でタオルを回しながらハイテンポな歌詞の中に観客のコールを挟んで完成するReady Steady Go!はライブのレギュラー曲だ。
ライブの醍醐味の一つでもある“会場の一体感”を全身で楽しめるのがこの曲の持ち味。
財布を無くした日もスマホをトイレに落とした日だってReady Steady Go!をライブ会場で味わえば笑顔になれる事間違いなし。
MCを挟んで4曲目、「Kitty Cat Adventure」
個人的に今回のライブツアーのMVPはKitty Cat Adventureだ。
別に最優秀賞でも審査員特別賞でも良いがとにかくファンに一番の衝撃を与え最も視線を釘付けにしたのは間違いなくこの曲のはずだ。
タイトルの通り“子猫”をテーマにした甘い歌詞の曲なのだけれど、そんな事はどうでもよくてとにかくダンスが可愛い。
リズムに合わせて猫の仕草を真似たくねくねした振り付けをするいのりちゃんがそれはもうひたすらに可愛い。
あのダンスを見ればきっと犬派の人は猫派になるし猫派の人は水瀬いのり推しになる。
今日はG20サミットで各国の代表が日本を訪れていたが、今日彼らが見るべきは会議の書類や通訳の顔よりもKitty Cat Adventureを踊る水瀬いのりだったのかもしれない。
あの振り付けを考えたのは一体何者なんだ。
あまりにも的確にファンの急所を突きすぎていて怖いぞ。
バンド紹介やMCを挟みながら「Wonder Caravan!」、「約束のアステリズム」、「TRUST IN ETERNITY」など最新アルバムの収録曲を中心にライブは進行した。
今回のツアーのセットリストは楽曲の雰囲気で明確にパート分けがされていたのが印象的だ。
ざっくり言えばよくある「盛り上がる曲→キュート系の曲→バラード→終盤の飛び曲」といった分け方だったけれど、衣装替えやMCを区切りとして意図的にパートチェンジを明確化していたように感じた。
恐らくCatch the Rainbow!というタイトルにちなんで曲のカラーをはっきりとさせてセットリストで虹色のカラフルさを演出していたのかな。
特別なにか企画を交えない限りはライブイベントの構成はアーティストが歌う→喋る→歌うの繰り返しだ。
人によっては途中でバンド紹介やイメージ映像を流したりするが、回数を重ねればどうしてもマンネリ化してしまう。
そのため当然運営側はライブの度にファンを飽きさせない施策を講じてくるのだが、僕はそれが毎回楽しみでしかたない。
今回で言えばまずは上に書いた「Kitty Cat Adventure」での可愛いダンスやセットリストを使った演出。
他には過去に着てこなかったパンツスタイルのライブ衣装、中盤での12人構成の豪華なストリングスメンバーの追加などがあった。
一つ一つ振り返って考えるとそこには「ファンを驚かせてやる!」という運営の熱意が感じられる。
そしてその熱意はしっかりファンに伝わっていると思う。
さっきライブが終わって帰ってきたのに、次のライブでは水瀬いのり(とその運営)は僕にどんな体験をさせてくれるんだろうと新たに期待してしまっているのがその証拠だ。
武道館の周りにはたくさんのファンがいた。
近くのコンビニにはありえないくらい大量のキリンレモンが売っていて、水色のTシャツを着た人たちが次々にそのキリンレモンを買っていく。
駐車場に停まっている車のナンバープレートには様々な地名が書いてあって何の法則性もない。
今日僕の視界に映った人や物はすべてが一人の人間とその人間が作り出す空間を見るために動いていた。
その事に素直に感動している自分に気づいて、いのりちゃんのオタクやっててよかったぁ~♪と思えたのも今日の良かった点だ。