オタクのままアラサーになりました。

基本的には働きたくないです。

以前勤めていた会社の人事部長に会った話

 今日は休日。

10時過ぎに起きて録画した深夜アニメを流しながら朝飯を食べる。

実に優雅。

 

アニメと食事が終わったらスポーツジムへ。

偶然職場の同僚も来ていたので軽く談笑。仕事の事を少し話しただけだけど、ジムに知り合いが居るとなんとなく普段よりヤル気が出る。

 

ジムのあとは床屋へ向かった。美容院ではなく床屋である。

駐車場には車が3台停まっていた。開店して2年くらいのまだ新しいお店だけど僕が行く時間帯にこんなに人が入っているのは初めてだ。

店内のベンチに座って自分の順番が来るのを待っていると新しいお客さんが入ってきた。

このお店にはおっさんと小学生と俺くらいしか来ないと思っていたけど、その時入ってきたのはコートを羽織ったオシャレなオジサマ。

視線に気づいたのかオジサマも僕の方へと振り返る。次の瞬間、お互いに「おっ!」と声が出た。

なんとこのオシャレなオジサマ、前に僕が働いていた会社の人事部長だったのだ。

 

まだ自分の散髪の順番は回ってこないし、待ち合いエリアのベンチは僕の隣しか空いていなかったので必然的に人事部長と何か話さないといけない空間が出来上がってしまった。

在職中に特別よく話をする仲ではなかったし、僕はいきなり出社するのをやめて数日音信不通になったあといきなり退職宣言をして会社を去ったのでめちゃくちゃ気まずい。

退職するときはもう会社の人間とは一生会わないと思っていたけどまさか床屋で出会ってしまうなんて、ケチらず美容院に通うべきだった。

 

何を話すべきかと頭の中で必死に話題を検索していると相手の方が先に喋り始めた。

「会社は来春からちょっと厳しいかも」

「かつての同僚はみんな元気に働いているよ」

「○○君は結婚したよ。同僚だった△△さんは今は係長になっているんだ。」

流石は人を見るプロ、人事部長だ。

僕はキョドって「マジっすか」しか返事が出来ないのに全く話題が途切れない。

そのうちに、ぎこちないながらも会話が進んでいくうちに少しずつ緊張が解けていくのを感じた。

よく考えたら僕らはもう上司と部下の関係ではなくて、顔見知りの一般人同士だ。

歳上としての最低限の敬いがあれば他に気を使う必要ないので、思い切って僕は転職して正解だったという話をできるだけやんわりと伝えてみた。

すると意外にも人事部長は「転職はどんどんするべき」という意見の持ち主だった。

彼の話は長かったけど、要約すると「自分に合わないと感じる所でダラダラ惰性で働くのは人生が勿体ない」という内容だった。

 

僕は会社を辞めるときに先の事を何も考えていなかった。

ただ思いつきで人生のレールを別の路線に切り替えたくなったというだけだ。

でも無職の期間で色々な事を感じて、ネット越しだけど色んな人と交流していくうちになんとなくだけど次に自分が向かう先を見つけた気がした。

そうして目的意識を持って選んだ今の仕事には以前の仕事には無かったプライドを感じている。

 

リアルの知り合いもネットで見かける何処かの誰かも「退職したい」と言いながら辛そうに働いている様子が伺える。

我慢していればいつか報われるわけでもないし、待っていれば誰かが環境を変えてくれるわけでもないのに、まるで助けを求めているように嘆いている。

人事部長は長い職歴の中できっと僕よりもずっと多くのそういう人達を見てきているはずだ。でも、きっと立場上そういう人が社内に居ても「もう辞めて良いんだよ」なんて言えなかっただろう。

まぁこれは完全に僕の思い込みだけど、そんな事を考えなら改めて彼を見たらこの人は物凄く苦悩した末に今を生きているのかもしれないと、少し尊敬の気持ちが湧いてきた。

 

余談だけど美容師さんは僕の髪の毛が少なすぎてカットの仕方に迷っている様子だった。なんかすみません……