オタクのままアラサーになりました。

基本的には働きたくないです。

Blenderってやつを使えば3Dモデルを自作できるって聞いた

事の発端は5月のニコニコ超会議でVirtualCastの体験会に参加したことだった。

自分が自分以外のキャラクターに成るという感覚は当然新鮮。

お互いにアニメキャラクターのような容姿で対話できるバーチャル空間に入ったときの衝撃はここ数年で間違いなく五指に入る物だった。

自分の手を見るとそこには少女の小さな手があり、周りを見渡すと普段より視点が下がっているのがわかる。

その空間に限り僕は少女に成っていた。

眼の前には世界の何処かから体験会場へアクセスしている一般アテンドの方が二人とVirtualCastの開発に関わったみゅみゅさんが居た。

ちなみにアテンドの方は女性声の女性と男性声のペンギンだった。

 

帰りの道中ではずっとBlenderについて調べていた。

今ではキャラメイクソフトでVRMデータを書き出して手軽にVirtualCastに自分のキャラクターを持ち込むことができるけれど、5月の時点ではまだそういったソフトは公開されていなかったんだ。

それに僕が使いたい3Dモデルは少女ではなかった

たしかに異性の姿になれるのは面白い体験だ。

でも0から自分のオリジナル3Dモデルを作るのなら僕には少女よりも作りたい物があった。

それは、ロボットだ。

ロボットアニメが好きな人なら誰だって自分の愛機を妄想するものだ。

もしその妄想をバーチャル空間で具現化できるのなら、これほど面白い事はない。

ちなみにロボットキャラクターを作れるキャラメイクソフトは今でも存在しないし今後も登場するのか怪しいところだ。

 

そして僕のBlenderとの戦いは始まった。

 

素人には難解過ぎるBlender

 3Dモデリングというものに一切触れてこなかった自分にはBlenderはあまりにも難解なソフトだった。

解説サイトを何度も見て一つ一つの機能を確認していくだけの日々が数日。

最低限の事は理解出来たと思って作業に入ると更にわからないことが出てくるのでまた調べるというイタチごっこだった。

頂点と頂点をつないで辺を作る。

辺と辺とつなぎ合わせて面を作る。

面を組み合わせて立体を作る。

やることは単純だけど、ここにデザインの概念が加わると異常に難しい。

自分の求めている形状を作るためにはどのように頂点を配置すれば良いのか、頭の中にイメージがあっても画面上でそれを表現しようとするとどうしても上手くいかない。

本来はデザイン画を書いてそれに合わせてモデリングしていくべきなんだろうけど、僕はイラストが書けないので脳から直接Blenderに入力するしかなかった。

 

そうして出来たのがこのモデルだ。

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このモデルが客観的に見てカッコいいロボットになっているかと言うと、残念ながらカッコ悪い。

途中でこれはマシな物にならないとわかっていたけど、まずは完成させてノウハウを得ようと思って最後まで作ることにした。

ちなみにこのモデルはmixamoという自動リギングをしてくれるサイトでリギングしてVirtualCastに持ち込む事ができた。

しかしmixamoの自動リギングでは動いてほしくない部分まで動いてしまったり、関節の位置が狙いからずれてしまった。

この事からリギング作業も自分で行う必要があるとわかったのは大きな収穫だった。

※リギングは3Dモデルにボーンを設定して動く骨格を設定していく作業

 

1作目の反省点と、Blenderへの理解が進んだおかげでより自分の想像に近い物を作れたのが2作目のこのモデルだ。

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このモデルでは上半身がかなり思い通りに出来た。

特に顔のデザインは理想にかなり近く、今後のモデルでもこの顔をベースに作っていくことにした。

mixamoに頼らず手動でリギングを行ったが、Blenderには「Human」という人形骨格のボーンが最初から入っているので思っていたよりも作業量は少なく済んだ。

今回の生じた問題は関節を動かすと可動部以外の余計な部分も動いて形状が崩れてしまう事だった。

特に肩を動かしたときの崩れ方は酷かった。

3Dモデルの女の子にノースリーブの人が多いのはきっと服の自然な形状を維持するのが難しいからだろう。

ボーンの動きに対して3Dモデルがどれくらい追従して動くかを設定する「ウエイト」の設定を見直すことで多少は解決されたがVirtualCastに持ち込むと妙になで肩な骨格になってしまった。

もっとボーンの肩の位置を高く設定するべきだったようだ。

 

よりBlenderの操作に慣れるために作った3体目がこれだ。

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3体目ではかなりイメージ通りの形状を作れるようになってきた。

特に顔のデザインは自分でも気に入っている。

逆に首から下はあまり好きじゃない。

間違いなく自分で考えたデザインだが、ところどころに妥協が見えてしまうのが原因だ。

関節も作りやすさを優先してガンプラのような関節にしてしまったが、もっと構造にこだわりたかった。

 

 

やたらと時間もかかるし出来ない事やわからない部分が多いBlenderだが、こうして振り返った時に少しづつ進歩が感じられるのはとても楽しい。

まだまだ理想のモデルまでの道のりは遠い!

俺たちのBlenderとの戦いは始まったばかりだ!

 

~完~

 

次はウエイトペイントについて書いてみる予定。